原作が大好きだったので映画の方は少し身構えながら観始めたけれど、ドキュメンタリーのような空気感や演出、光がふんだんに使われた映像が作品によく合っていて、むしろ原作超えでは?と思うほどの完成度だった。過剰さを排除した、現実を真正面から見つめるような演出が心地よい。
いくら優しくて愛にあふれた夫婦であっても、「真っ当」な人生を送ってきたからこそ、裕福だからこそ、若くして子どもを産んだ女の子がその先どういう人生を送ることになるのか本当に全く想像できなかったところがとても切ない。親の援助を受けられない若者に対するサポートが不十分で、1度落ちれば戻ってこられない、そんな社会でいいのだろうか。