ずっと観たかった映画。
僕は、河瀬直美監督の「あん」はもちろんのこと、世間的にはあまり評価されていなかった「光」もとても好きな作品だった。
辻村深月さんの原作も読んでいたし、
この有名小説をメジャー配給作。
各種国内映画祭やキネ旬でも上位に選ばれるなど、河瀬直美監督の代表作と言ってもいいだろう。
そんな期待大の鑑賞だった。
休日で割と時間にも余裕があり、しっかり落ち着いて鑑賞したんだけどな、、
もちろん、悪くはない。
永作博美と井浦新の夫婦は、望んでも子供ができない。産めない夫婦のエピソードが綴られる。
不妊治療を諦め、「特別養子縁組」で親になることを決意する。
そのきっかけとなったテレビ番組を見る
2人のシーンがとても印象的だ。
永作博美は、こーゆー、優しく、凛とした女性を演じたら上手いね〜
井浦新もとてもいい。苦しみから光を見つけようとする眼差しの演技が2人とも素晴らしい。
それと共に、今度は、産んだが、育てられない女の子のエピソードが語られる。
朝ドラ「おかえりモネ」で妹役をしていた蒔田彩珠。調べたら、「志乃ちゃんは〜」にも出てたんだね。
まだ若いけど、雰囲気があり、そこに佇んだり、ある一点を見つめたりの静の演技が
できる若手女優さん。
産む前、そして、ある場所での出産と出会い、さらに産んだ後の悲劇がかなり時間をかけて丁寧に綴られていく。
役者のことで、もう1人付け加える。
養子縁組を仲介する団体代表を演じる浅田美代子がとてもいい。
河瀬監督と言うと、浅田美代子と親交が深かった樹木希林さんを思い浮かべる。
浅田美代子の本作での最後のシーンの
あの表情。今までやってきたことを振り返り、自分に納得させているあの演技は、
彼女の女優人生の中でもベストに近いとのなんじゃないかなと思っている。
こんな役者の力を引き出し、
いつもの河瀬作品のように、ドキュメンタリーのような演出と自然描写を折り込みながら(特に朝の光は意識して撮られていたのかな)
丁寧に、丹念に、二つのエピソードを語っていき、
ラストに、原作にはなかった(と思う💦)「なかったことに〰」のメッセージを加えて、ラストに盛り上げていく、
映画としては、確かに良く出来ている、と
思う。
だけど、、、僕はもう一つ、この映画に
のめり込めなかった。
何が?僕にもよくわからないんだけど、、
あまりに上手くまとまってい過ぎる、
静かなのに饒舌
ゆったりしているようで、感情の隙間がない窮屈さ、みたいなものも同時に感じて
しまったのかもしれない。
ラストの永作ママの一言も、僕はしっくり来なかったな、