MasaichiYaguchi

DaughtersのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

Daughters(2020年製作の映画)
3.8
ファッションイベント演出家の津田肇さんが監督と脚本を担当していることもあって、三吉彩花さんと阿部純子さんのダブル主演による女性の友情を軸にした本作は映像が都会的に洗練されていて美しく、ストーリーも繊細で心の琴線に触れてくる。
学生時代から仲が良く、社会人になってからも関連した業界に勤めている堤小春と清川彩乃は中目黒でルームシェアして生活している。
プライベートもオフィシャルも充実した毎日を送っている2人だが、彩乃が妊娠し、シングルマザーとなる人生の選択をしたことにより、平穏だった生活に波風が起こり、変化を余儀なくされていく。
本作を観ていると女性の友情は男性のそれとはやはり違うし、特に相手に対する気配りが男女では顕著に違うように思う。
そして妊娠についても、これも男性と当事者である女性では“向き合い方”がまるで違うことを改めて感じた。
更に映画で描かれた妊婦に対する細々としたことが、昔と違って食べ方や運動について一昔前とは変わってきていることも知った。
この映画は一つの人生の節目を迎えた若い女性とその親友を軸に、夫々がそれを機会に現実と向き合って新たな一歩を踏み出すのにエールを送るガールズムービーだと思うが、彼女がいる人、特に結婚を控えた男性は本作を観て、女性にとって妊娠とは、母になるとはどういうことなのかを知る切っ掛けを与えてくれる映画だと思う。
仕事で何回か中目黒を訪れたことがあるが、本作を鑑賞して休日にゆっくり散策してみたくなりました。