友ニ

カセットテープ・ダイアリーズの友ニのレビュー・感想・評価

4.3
 一気に’80sにフラッシュバックしました。
 まさに自分の思春期を代弁しているかのような映画でした。おこがましいですが、ここまで自分と似た想いを持った同世代がいたということに驚きと共感が入り混じって、胸に刺さり過ぎてイタイです。

 中学生の頃に『Born in The U.S.A』のアルバムを聴いて、アメリカの政治や社会、日本との関係などに興味を持ち始めた私にとっては、B.スプリングスティーンは人生という意味で最初の先生でした。
 当時のイギリスの社会的な側面も見ることができますね。

 また、あの彼女ですね。政治活動に熱心というのが、’80年代の女性の地位向上の意識を表したメタファーとして登場させている気がします。どことなくお顔がC.ローパーに似ていますし、ファッションはマドンナ風というのも、そのあたりを感じさせます。

 ただ、劇中くど過ぎるほどB.スプリングスティーンの曲ばかりなので、閉口してしまいました。彼の曲でみんなでダンスまで始まったシーンには、ちょっと違和感を感じました。あそこは普通にM.J.とかで良かったのでは…。
 
 あと、この邦題はどうなんでしょう?
カジュアル感を出そうとしたのかもしれませんが、原題通りで良いと思います。
 このあたりも’80年代によくあったノリでつけた邦題っぽさ(『ハイスクールはダンステリア』に代表されるような)が出ていて、それっぽいと言えばそうですが、作品の主題がわかりにくいです。

 とはいえ、青春時代をB.スプリングスティーンで過ごした人にはピッタリはまる作品です。

 

 
 
 
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