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カセットテープ・ダイアリーズのwoosのレビュー・感想・評価

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TOHOシネマズ池袋にて字幕版を鑑賞。
2020年新作劇場鑑賞35作目。
客席は半分の8割くらい。
テーマ「光の中の暗闇」

[全体として]
お話は1987年イギリスの片田舎で暮らす、詩を書いたり文章を書いたりするのが好きな、パキスタン系の主人公で、強烈な家父長制文化と差別に悩まされている。いつかこのクソみたいな田舎を脱出する事を夢見て通い始めた高校で、同じパキスタン系の同級生に勧められたのが“BOSS”こと「ブルース・スプリングスティーン」。彼の詩の世界が主人公の身体を駆け巡り、人生を動かす原動力となっていく、のような話し。
「イギリス」「音楽」「アジア系移民」などのテーマが入っている映画としては、『ボヘミアン・ラプソディ』『イエスタデイ』など最近多いな。

[良かったところ]
実話ベースのストレートな青春映画で、大人や文化、差別との軋轢や自意識、それと恋、などを経て主人公が成長していくというシンプルで普遍的なストーリーはやっぱりいい。
“BOSS”の音楽は通ってこなかったのだが、彼のアツイ歌詞が物語の推進力に間違いなく貢献していて、それに「影響を受ける」という描写の再現性が笑ってしまうぐらいストレートで、正にカミナリに撃たれたような衝撃という表現を映像化していたし、歌詞の世界が身体を駆け巡っていく様子や、主人公に起こることがリンクしていて、観ていていろいろ思い出すことが多かった。
田舎の厳しめの家で生まれ育った人間として、共感しまくる描写ばかりで、こうしてイタい人間が作られていくんだな(当社比)と思わざるを得なかった。親子喧嘩のシーンとか色々思い出して吐きそうになった。
あと、今日がアメリカの独立記念日だったのも何となく良かった。

[気になったところ]
彼が書いた詩や文章の詳細がもっと有れば、お話の説得力が増した気がする。

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ストレートな青春映画が観たい人にオススメです。

[劇場レポ]
新しく出来た池袋のTOHOシネマズでの鑑賞なので劇場の感想を。
劇場の作りとしては行った事がある中では、TOHOシネマズ錦糸町に近いような気がした。
入り口付近にあるトイレは狭め。発券機の左奥の窓は綺麗過ぎていつか通路だと思ってぶつかる人がいるに違いない。
オープンしたてとあって、無駄にスタッフ(スーツ着てたし本社の人なのかな?)が多い割に誘導の役に全く立っていないのが笑えた。
「音響に自信あり」の劇場らしいが、今回の8番スクリーンは特殊なモノではなかったようで、音楽が題材の映画なんだからそこは気を使って欲しかったな。
あ、でも座席の質は今まで行ったTOHOシネマズの中で一番フカフカのものだった。
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