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カセットテープ・ダイアリーズの4747のレビュー・感想・評価

4.5
英国のルートンという片田舎に移住してきたパキスタン人のジャベドは幼い頃から貧しい暮らしをするが、文章を書く才能をもち、親友のマットと共にロンドンに出ることを夢見ていた。
月日は流れ、高校に入学したジャベドは大学に進学するため、地元で最もハイレベルなクラスに進むが、家長制度が染み付いている彼の一家では父親の意見が第一であり、本音を表現することはできない。
そんなある日、同じくムスリム信者のループスからブルース・スプリングスティールのカセットテープを借りることとなる。家庭や社会の抑圧に苛まれた、嵐の夜、ブルースのカセットテープは彼の気持ちを大きく変えることとなる…。

1990年台のイギリスの田舎町を舞台に、ブルースに出会った少年が、自分の気持ちに気づく物語。
物語の中盤まで見ると、社会と家庭の抑圧から解放され苦悩しながらも本当の自分を取り戻す、ありふれた映画だと感じたが違った。
もちろん、最後はハッピーエンドではあるが、個人の夢と家族への責任を両立させるという点が感動であった。
特に、ラストシーンの家族が参加してのスピーチでは、等身大のジャベドの言葉が伝わるだけでなく、父親の功績に気づいた彼の言葉が優しく、そして心強いことに泣かされる。

男性なら分かるが子が父を超える時、必ず感動がある。
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