さうすぽー

カセットテープ・ダイアリーズのさうすぽーのレビュー・感想・評価

3.8
自己満足点 75点

個人的にブルース・スプリングスティーンの曲を聴くと浜田省吾を思い浮かびます。
ちなみに80年代の浜田省吾のジャケットはもろブルースの格好です!(笑)

自分は親の影響で浜田省吾が好きだったので、そこから一時期ブルース・スプリングスティーンの曲も聴いてた事があります。
中でも、この映画で唯一2回使われた「Born to Run」はかなり好きです。


さて内容ですが、
イギリスに住むパキスタン人家族の主人公が、人種差別や情勢の不安を抱える思春期の最中、とあるクラスメイトからブルース・スプリングスティーンの曲に衝撃を受け、自分の夢を見付ける青春映画。
ちなみにこの映画を観るまでは知らなかったのですが、実話だそうですね。


主人公が学校の友達や好きな人と交流しながら自分の夢を目指す物語を、ブルース・スプリングスティーンの数々の名曲に彩られながら描かれていきます。

なので、全体的にミュージックビデオのような演出で展開されていきます。
そのミュージックビデオ的演出が映画にはまっていたと思います。
特に、主人公が自暴自棄になりかけて、嵐の中でブルースの曲をカセットテープで聴く場面は画面にリリックが浮かび上がります。
それでいて主人公の心情に合わせて曲がかかるのでキャラクターの心情が凄く解りやすいし好きでした!

ただ、中盤の「Born to Run」がかかる場面は少しぶっ飛び過ぎてる気がして、観てて少し気恥ずかしかったです(^_^;)


ちなみに、この主人公の家族は一切イギリスやアメリカの音楽を聴かずに自国の曲のみ聴いていたり、良くも悪くも自分の国に拘っている部分があり、特に父親は厳格なくせに考えが古いのですが、そういった家族との関係性の変化も見所です。

カセットテープ・ダイアリーズというタイトルだけあって、カセットテープが出てくるのですが、個人的にカセットテープが出てくると嬉しくなるんですよ(笑)
幼稚園から小学生の幼い時期を思い出すので。


ちなみに、この映画の時代は80年代中盤でブルースの全盛期は少し過ぎてる年代で、マーガレット・サッチャーの時代ですね。
その時代の不安定なイギリス情勢を丁寧に描いていたのですが、個人的にその描写が少し映画から気持ちが離れました。
というのも、当時の本物のニュース映像をかなり強調して描くので、少しくどく感じてしまいます。
こういうのはしつこいくらい映像を流すのではなく、少ない時間でさりげない程度の描写の方が個人的には好きです。


この映画はTwitter等で絶賛されていていながら個人的には少し微妙なところもあったのですが、観た後に「観て良かったな」と心が暖まるような映画でした!


ちなみにこの映画の先生役、どこかで観たことあると思ったらキャプテン・アメリカのヒロインのペギーじゃん!!