ArisaOkachi

カセットテープ・ダイアリーズのArisaOkachiのレビュー・感想・評価

3.8
なんて爽やかなのーーーー!!!



1ヶ月前に観たんですが、観る前からやたら映画好きの人達の中で好評だったんですよ。
で、私もポスターみた時から「これは…面白そう!!」と確信していてとても期待していました。


これ、実話とな!
なんともビックリ!




パキスタンの移民の子であるジャベドは、保守的で厳格な父親に従いつつも胸のうちは鬱々とした思いを重ねていた。



子供の頃からずっと自分の吐き出せない思いを日記にしたためていて文章を書くことでうまく昇華させてきたジャベド。



ある日、同級生から貰ったBOSSことブルース・スプリングスティーンのカセットを聴いた時から彼の中に衝撃が走る。




それは、ずっと抱えていた鬱屈した気持ちをBOSSが代弁してくれたから。




その日から彼の人生はBOSSの音楽によって救われ造られていく…





***





青春さながらたまにこっちが恥ずかしくなるくらいのシーンもありますが、全編爽やかで「若いっていいなぁ〜」なんて思ってしまいました。笑




前半はMTVを観ているかのよう。
BOSSの音楽に合わせて歌詞がスクリーンに流れていったり、ミュージカル映画のように突然町で踊り出したり歌い出したり。




私はブルース・スプリングスティーンの曲は聞いた事がなく、We are the worldで叫んでいる姿しか知りませんでしたが…
寄り添った歌詞を書く人なんですね。



若い頃に聞いたら感性に響きそう!




BOSSの歌に感化されたジャベドは、色々な壁を打ち破ろうと成長していくのですが。






私達にも、青春時代心を奪われたアーティストがいたはず。



彼ら(彼女ら)の書く歌詞に共感しずいぶん救われたでしょう。
私自身、ずいぶんと励まされた記憶があります。





そのアーティストの存在が
代わり映えしない毎日に、鬱屈した日々に、希望や彩りを。そして明るい未来を与えてくれましたよね。





そういう経験をしてる人なら本作はかなりの確率で刺さるのではないでしょうか。







冷静に見たら、くさい演出で恥ずかしくなるようなシーンも自分の若い頃と重ねて観るから微笑ましいんですよ。







しかし、爽やかなシーンばかりではなく、パキスタン人への差別等も描かれています。
日本人の私達では考えられないような種類の差別です。

それでも言い返さずやり返さずジッとしているんですね。

彼ら(パキスタン人)はそうやって生きてきたんでしょう。





そんな彼らがハマるから意味があるのです。




そんな彼らがハマったのがBOSSだったから深いのです。




終盤、ジャベドが人前で語るシーンがあります。



それまで反発心を持っていた筈の家族や父親への想いが初めて言葉になります。




その言葉は、BOSSによって導かれた想いなのですが感極まって泣きました。




家族や自分を支えてくれた人間を決して置き去りにしない、優しさが十分に溢れたシーンでした。
とっても感動しました。





もう一つ、私的ポイント



ジャベドの幼馴染のマッドの存在が良かった!
破天荒なタイプで、対照的に生きている2人。この比較が良かったです。


あとはマッドのお父さん!!



マッドのお父さんもジャベドのお父さんとかなり対照的で面白いんです。




妙に友達みたく仲良くしてくれる、友達のお母さんとかお父さん居ましたよね。




マッドのお父さんはそのタイプでジャベドと話が合うんです。
マッドの好きなアーティストをこけにして馬鹿にしてマッドを怒らせるんですが面白かった。
自分の息子をこき下ろすんですよ笑。




会話や目線を子供に合わせてくれる親ってなかなか居ないからマッドのお父さん良いなぁって思いました。



一緒に歌い出すシーンなんて最高だったなぁ。


↑観た人しか分からない笑。








テイストやストーリーなんかは違いますがダニーボイルのYESTERDAYが好きな人は本作も好きなんじゃないかと思います。



もちろん、私はどちらも好きです。