たけうつ

カセットテープ・ダイアリーズのたけうつのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

「故郷を出てもいい。ただし、我々を忘れるな」
誰しもの共感できる、ヒューマンドラマです。

最初はミュージカルや勧善懲悪調の、単調な背景説明が続きます。
主人公がBSの音楽を崇拝する思春期と思春期の万能感。
一方で移民排斥、不景気、親子の確執など、前途は問題山積です。
現実に目を背けBSへの依存を深める主人公に、歯痒さを覚えます。思春期を何も問題なく過ごした人は多くありません。歯痒さの正体は既視感です。

後半、主人公はBSへの盲目的な姿勢を捨てます。
BSのメッセージをリスペクトし、時に支えられつつも
彼の人生に誠実に向き合います。その姿勢に感動を覚えます。
ここでの誠実さとは、わかりあいにくい相手を突き放さないこと、
分かり合えない部分でなく、今までしてくれたことに感謝することです。
典型的家父長である主人公の父は主人公の進路に反対を続けますが、
主人公の誠実な態度に、最後には冒頭のセリフをいい、和解します。

故郷を出て上京した私は、後ろめたいものを感じました。
(上映中家族に電話したくなりました。まだしてませんが)

BSはイギリス/アメリカではどんな立ち位置なんでしょうね。
日本で言う矢沢永吉みたいな感じなんでしょうか。
(曲はなんとなく尾崎豊っぽいと思いましたが)
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