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BEYOND BLOODのhorahukiのレビュー・感想・評価

BEYOND BLOOD(2018年製作の映画)
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2003〜2008のニューウェイブオブフレンチホラーという短い期間のムーヴメントに対してこれだけの熱量を持ってドキュメンタリーが製作されたということがホラー好きとしては何よりも嬉しいこと。そして監督たちから「終わり」を告げられることの悲しさよ…。

『ハイテンション』『フロンティア』『屋敷女』『マーターズ』の4作に焦点を当て、生まれた時代背景の考察や世界と自国フランスでの扱いの違い、ムーヴメントの終了と新しい希望にまで言及されていて面白かったです。残念ながら『フロンティア』だけは見てなくて、熱く語ってたザヴィエジャンに申し訳ない気持ちになった。そして『マーターズ』あんまり好きじゃなくてごめんよってなった。

フランスのホラーに対する在り方・考え方は本当に悲しい気持ちになるし、芸術のことなんて全く詳しくないけど、芸術を古臭い印象だけで選定する選民思想みたいな姿勢には全く賛同できないですわ。「所詮ホラーだから…」とか「ホラーなんて低俗」とか、先入観や勝手な印象で見もしないで下に見る思考はマジで理解不能。まあ先入観と印象で雁字搦めな状態で見たとしても正当な評価はされないだろうけどね。入り口で負けてるのは辛いなぁ。

でも誰が語ってたか忘れたけど(ジャンだったかな?)、そういった体制への抵抗としてのホラーというのは、かつての怪談のようにホラーのあるべき姿のひとつだと思うし、生まれるべくして生まれたムーヴメントだったんだなって思った。

スペインのパコプラサが出演することで、スパニッシュホラーとフレンチホラーの扱いの違いにも話が及んでるのは面白かったし、近隣国なのに全く違う作風とホラーに対する国民の考え方の違いも興味深かった。あと個人的にパコプラサの作品好きなので嬉しかったです。

パスカルロジェのオーバーアクションな話し方はいつも通りで安心感あったし、ハネケと比べて批判する観客?批評家?に噛み付いたエピソードも面白かった。『ファニーゲーム』だと思うけど、アレを『マーターズ』と比べることはナンセンスだよ。目指してる方向性が全く違うのに。

そんでザヴィエジャンってこんな外見だったんだ〜とか、ケッチャムまで出演してる豪華さも良かったし、コラリーファルジャまでガッツリと語ってくれてたのも嬉しかった。古き良き怪談を血みどろバイオレンスに仕立て上げた『リベンジ』はめちゃ好きだし、あの方向性の作品を今後も作っていくみたいなことも言ってたから次作がめちゃ楽しみになりました。

でもコラリーファルジャ出すなら何とかジュリアデュクルノーも一言コメントでも良いからインタビューして欲しかったな〜。あと締めの言葉みたいなので、あの4作から『フロンティア』外すの可哀想だからやめてあげて!!

そして「極度乾燥してください」というザヴィエジャン監督からの熱いメッセージはしっかりと受け取りました。今から帰って洗濯して、しっかり極度乾燥しようと思います!でも極度乾燥って何??
→調べたらああいう人気ブランドのようです。マジか!!(笑)何もせんかったら生乾き臭半端ないんかな…。