自分が観た映画館では子供連れの家族がいて「子供連れで観るような映画ではないくないか...」と思ったのだが本作を観た後はそんな偏見を持っていた自分を叱ってやりたいと思った。まさしく今の10代、20代の若者に観て欲しい映画だった。
脚色こそあれどWinnyが生まれた契機、そしてWinnyが一時代を築いた理由、そして今の日本が世界に後れをとっている原因、それが1本の映画の中で知れるというのは貴重。史実を扱った映画は日本でも数あれど、本作はその中でも特に価値のある作品なのではないかと思う。自分自身Winny直撃世代ではあったのだけど事の顛末を全く知らずかなり驚いた。無念。しかし金子氏が人生を賭けて残したコードは今も多くのプログラマーの中で生きていると思うと本当に素晴らしいことだなと感じる。
あと東出の演技めっちゃ良かった。本作は東出の演技ありき。あのチャーミングでピュアな天才オタクとしての金子氏を演じきった東出の演技ありきの映画。めっちゃ応援したくなる。定食屋で声デッケェとことか超良かった。定食屋で声デッケェんだよ東出。マジでうるさい。
映画の中で反芻される「空を見上げる」というアクションも良かったですね。実際の金子氏がどういう人だったかどうかは知らないのですが、空を見上げるというモチーフかなり良かった。ただただひたすら上を目指すことのメタファーのような、空には無限の可能性があることのメタファーのような、そういう希望が持てるようなシーンだった。
これは最終的にNetflixとかで配信されて欲しい。多くの人に観てもらいたいですね。
