takanoひねもすのたり

性の劇薬のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

性の劇薬(2020年製作の映画)
3.2
いい声で啼きやがるぜ…(受)

原作は水田ゆきの同名漫画。既読済。
ええ、がっつり18禁BL実写です。

両親を失くし恋人が去り会社も辞め捨てばちになり自殺しようとした瞬間、見知らぬ男に止められた桂木。
「死ぬならお前の命、俺によこせ」
とその日から監禁調教が始まり…というもの。

一口にBL好きといっても、受攻のCPの好みから、掛け算の順番、個々の聖域など、性癖の数だけBLジャンルの界隈が存在しますが、基本、個人では、陵辱→「…好き」という展開はあまり好みではない(触手除く)んですが…。

何というか、見入ってしまいました!
だってエロいんだもん!!!

余田が初めは玩具で責め、淡々と桂木を観察しながらの言葉攻めですよ!奥さん!
んでなかなか抱かないんですね、余田の負の感情が振り切った時に初めて抱く。

なんつーかですね、セックスって何だろなーってことを考える話で。

性⇔生、生⇔死、の対比が分かりやすく提示(ベタとも言えますが)されているんですが、死を選ぼうという心理状態の男を監禁して、快楽を覚えさせて死ぬ気を失くさせようというところは分かる。

しかし余田はある替わりとして桂木を見ていて、怒りや諸々の感情の全ての矛先を彼に向けているので、桂木というそのもの存在は実はあまり関係してないんですね、ある時点までは。

桂木は桂木で何故余田がこんなことをするのか訳が分からないまま彼により快感だけは引き摺り出される。

どっちも互いの存在を見てないんですよ!
介在しているのは、セックスだけ。

桂木はそれでも最後に余田の本心(自分の死に場所)に気がつき、余田は余田で過去ではなく今抱いている男が桂木だと認識するという展開に落ちるんですが……そもそもセックスって何ですかーーーー!って話に、自分は。

性=生=生存意義って図式になると思うんですが…何かちょっと間違うと、攻めに依存して「もう…お前じゃないと…」的なところに行っちゃう気がするんですが、これはちゃんと最後にお互いを確認し合うという箇所があり、そこ大事だと思います。

プレイ自体はかなりハードですが、股間は映らない絶妙なアングルですし、手順も正確、主役2人の体型もスリムですし、ビジュアル的にも良かったです。

とりあえずエロを摂取して少し元気になりました。
監督ありがとうございました。