このレビューはネタバレを含みます
孫がISに入ろうとしている事を知ってしまう祖母の話。
「もしも、家族がISに入ったら?」という設定は新鮮でしたし、なかなか興味深いものがありました。
本作の場合は、ISがテーマでしたが、これをカルトや陰謀論者に変えても通用する話だと思いますし、なかなか現代的で普遍的な話とも言えるでしょう。
ただ、映画としては微妙な出来で、孫がISに入ろうとしている事が早々に分かってしまうんですよね。
これ、もうちょっとサスペンスとして引っ張って、「孫がただのイスラム信者なのか?」「それとも過激派テロリストなのか?」という感じで、祖母が孫を疑い、葛藤する話にしても面白くなったんじゃないかな~。
その中で、祖母がイスラム教について学んだりだとか、過激派の勧誘の手口やフランスの若者が抱える不満を知ったりで、祖母を通して、この問題を多角的に考えさせる作りにしても良かったかもしれません。
結局のところ、本作の最大の見せ場になるはずの祖母と孫の対決が、全く噛み合わないまま終わってしまったのが残念だったなと。
宗教に洗脳された人間を改心させるのは難しいとはいえ、カトリーヌ・ドヌーブが演じるからには、もうちょっと迫力のある説得を見たかったものです。