湖迦

さすらいの湖迦のレビュー・感想・評価

さすらい(1975年製作の映画)
5.0
この空気にいつまでも酔いしれていたい、そう思えてくるほど心地のいいロードムービーでした。
また、主演二人の演技が自然体で、観ているこちらも共に旅をしているような錯覚に陥ったり。

また、本作は映画についての物語でもあります。
映写機やフィルムを運搬するブルーノ、地方の映画館主のおじいさん。映画業界の話は興味深いものがありますし、ラストの映画館を閉じることになったという映画館主の話も考えさせられます。
制作当時、ドイツの映画館をとりまく厳しい状況を浮き彫りにしたものでもありますが、ドイツのみならず現在の映画の在り方そのものを問われているような気がして…

最近、自分のふるさと唯一の映画館が潰れてしまったこともあり、いろんなことを想起させられた一本でした。
湖迦

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