tomひで

糸のtomひでのレビュー・感想・評価

(2020年製作の映画)
3.0
シンプルに小松菜奈見たさにこの映画を観たが(笑)なかなか良かった。

========以下ネタバレあり==========

子供シークエンスは泣けるなぁ。
手を引っぱる漣(れん)を止めて葵(あおい)が一言
「ありがとう、もういいよ…漣くん」
漣の愛情を受け止め、自分の境遇を小学生の漣に背負わせるわけにはいかないと覚悟するシーン、いいな。

漣の奥さんが亡くなる直前の病室シーンもいい。
榮倉奈々の痩せた姿と涙が凄くてとても引き込まれた。
あの痩せ方はデニーロアプローチ? 凄い演技だった。

子供食堂の号泣と糸が繋がるハグも好き。

ただ映画として一段上の高みにあがるには演出の弱さも感じた。運命の糸を表現する為に2時間尺に20年近くを盛り込まなければならず、ダイジェスト的になってしまうには致し方ないか…。

音楽にインスパイアされて出来た映画とはいえ、音楽に頼り過ぎの演出も感じた。シンガポールで小松菜奈の後姿に中国語の中島みゆきの曲が流れるのとかめちゃくちゃ安い。美瑛、札幌、函館、東京、シンガポール、とても綺麗だけど、こういう旅サンプル的な背景は排除した方がいい。

褒めてるのか貶してるのか分からんが、個人的にこの映画の核となる部分がとても好きなんだと思う。小松菜奈とても良かった。

「偉くならなくていい、悲しんだり泣いている人がいたら、抱きしめてあげなさい。」
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