順慶

糸の順慶のレビュー・感想・評価

(2020年製作の映画)
3.7
なんというベタな映画的展開の映画なんだ。めちゃよかったよ。 

でもな。連絡先くらい最初に結婚式で会ったとき交換しとけよ。あんなに劇的な別れで、こんなに偶然に出会ったのだから。ちょっと負い目があったのかな。

平成の時代と共に30年。そして令和へ。
人生って、楽しいことより辛いことの連続。別れて、また出会って。それを繰り返して生きていく。
少しでもがんばることがあって、だから少しでも楽しいことがある。群像劇のようだけど、やっぱり蓮と葵の物語。劇中このふたりが本当によく泣く。よし、娘の出番だ。

葵がシンガポールの日本料理屋で食べたカツ丼。思わず「まずっ」。それからのヤケクソのような泣きながらの食べっぷりは名シーン。そして北海道の子ども食堂で、食べながらの涙。このシーンは最高に泣けた。

子どものころに気になっていた異性って、誰の心の中にでもいるんじゃないかな。その記憶を鷲づかみにしてくれる。ちょっと振り返ってみたら、偶然に会えるんじゃないかと思ってしまう。そんな映画だった。

2年前の今ごろ、ひとりで北海道を旅行した。ロケで使われていた函館も美英もそのときに行ったよ。ちょっと懐しい。
順慶

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