マオ

糸のマオのレビュー・感想・評価

(2020年製作の映画)
3.5
人に会えることが当たり前だった日常がなくなって、今までの日常がどれだけ特別なことだったかを考えさせられた自粛期間を経て、無事公開された糸。
今作を通して、改めて誰かに会えることの大切さ、誰かと触れ合い、苦楽を共にできることの喜びを感じた。
大切な人には会える時にたくさん会って、伝えられる時にたくさん想いを伝えようと思えた。

会うべく人には会うべきタイミングで会えるし、必要な時に必ずそれに繋がる何かや誰かと出会える。「運命」というのは良くも悪くも平等にあって、それらに気付いて行動できるかが別れ道だと思ってる。
赤い糸はほつれたり絡まったりするけど、いつかどこかで繋がるという言葉がすごく腑に落ちた。

そして劇中歌「ファイト」が頭から離れない。
悔しく辛いこともたくさんあるうまくいかない人生を闘い続ける人たちと自分へのエール。あのシーンは本当にビシバシ刺さったし良かった。
ふみちゃん出演時間短いのに最強に印象深く素晴らしい…
豪華なキャストでどこを切り取っても素晴らしい演技に魅了されたけど、葵の子役の植原星空ちゃんが、菜奈ちゃんと同じ位置にほくろつけていたこだわり演出が個人的に好きです。。

正直内容は予告や特番などで出し過ぎてしまっている感が否めずラストまでの展開は予想通りではあったけど、改めて菅田将暉と小松菜奈の2人を大画面で見ることができるこの時代に生まれて良かったと思った。
「ディストラクションベイビーズ」「溺れるナイフ」と共演を重ねた2人だけど、憎しみや苦しさなど負の感情が多い作品だったから、すれ違いながらもまっすぐにお互いを思い合う2人が純粋に美しく切なくて、当たり前だけどあの頃と違う2人の共演は素晴らしかった。

小松菜奈の泣きの演技、本当に好きだと改めて思った。「今作は泣くシーンが多かったからただ泣き虫みたいに見えないようにちゃんと葵という人間を理解して感情を出せるように意識した」と何かで言ってたけど、どのシーンでもそれが伝わって感情移入してしまったし、カツ丼のシーンは最高だし、ああこの人のファンでいれてよかったと強く思えた。これからも楽しみ。
2人のファンでなければこの作品と出会うことは
なかったと思うから、これもまた巡り合わせだな。

余談ですがパンフの菜奈ちゃん、ひたすら食べ物の話してて最強に愛おしいし撮影中の2人の様子とかもかわいくてほっこりするのでみなさんぜひ〜!!
マオ

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