mura

糸のmuraのレビュー・感想・評価

(2020年製作の映画)
4.3
小松菜奈がご飯を食べる(頬ばる)2度のシーンで2度とも泣いた 笑

あらためて…食べることは人間の体だけじゃなく心も健やかにしてくれるんだなと。

舞台は北海道・美瑛。平成改元とともに産声をあげた蓮。中学1年生のとき、同級生の葵と出会う。互いに惹かれあい、仲を深めていくが、葵は突然いなくなる。葵は虐待を受けていた。蓮は葵を札幌で見つけて逃げるが、結局はつかまり、離ればなれに。成人し、美瑛に残ってチーズ工房で働いていた蓮は、幼なじみの結婚式に出席するために東京へ。そこで久しぶりに葵と顔をあわせるが…って話。

恋愛映画ではあるけれど、同時に平成という時代をとおしての大河ドラマともいえるか。平成とはどんな時代だったのか…それを問う映画でもあるか。そういえば、戦時をのぞけば昭和より平成の方が「混沌」といった雰囲気があったのかもと。

しかしいいところで『糸』がかかるなと。ふたりが引き裂かれるところとか、音楽も手伝って深く印象に残る。

運命の「糸」は確かにあって、でもほつれ、切れることもある(まさにミサンガがそう)。それでもまた、つながることもある…

励まされる映画だなと。まさに『ファイト』とでもいうように。いい映画。
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