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リサイクル -死界-のkのレビュー・感想・評価

リサイクル -死界-(2006年製作の映画)
3.2
最初はガチガチのホラーだと思って観てたら、中盤からファンタジーになり、終盤は感動ものになって…とどのジャンルに入れて良いか迷う作品。

【異世界の描写】
異世界の描写がすごいと聞いて観たけど、これは文句なしにすごかった。
朽ち果てた高層建物群はかなり好みの雰囲気でこれだけで作品を観て良かったと思えた。この美術担当が関わった他の映画があれば観てみたい。

一部サイレントヒルに影響された感じもしたけど、あそこまでダークで荒廃した雰囲気ではなくどこかノスタルジックで寂しくなる景色が印象的。
そこは「捨てられ、忘れられたもの」というテーマをうまく表現していると思う。


【脚本とか】
脚本は中盤少し前までは良かったが、途中からホラーでもなんでもなくなってきて、「あ、そんな感じでいくんだ」と観ていて不安になったなぁ 笑

ホラーテイスト溢れる序盤はなかなか怖く息をのんで観れたし、ホラー色残る中盤は異世界の風景を堪能出来て最高だったんだけど、それ以降は千と千尋やらどこかで見たようなシーンが続きちと飽きかけた。

テーマもキャストも演出も悪くなかったはずなのに、色々と欲張り過ぎて方向性を見失ってる感じがしたね。

まぁそれでも雰囲気は好きだし、主演は美人で良い演技するし、子役も可愛くてこれまた演技も悪くなく、最後までちゃんと観れる映画でした。


【その他の感想】
個人的には「忘却」について色々考えさせられる映画だった。

自分が捨ててしまったモノや考え、忘れていた人の事が頭にぼやっと浮かんだ。

死んで100年もすれば自分の墓参りする人なんていなくなるとは思うけど、50年くらいは覚えててほしいなぁ、
これまで親しくなりいつしか離れてしまった人の心のどこかで残り続けたいなぁ、とかそんな事を考えた。

二度見はしないけど、色んな要素を楽しめたし観て良かったです。
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