天パ太郎

音楽の天パ太郎のレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
4.5
周辺の学校でも一目置かれる不良のシンジが、ふと普段からつるんでる三人とバンドを結成。そして、フェスへ。


ヒロインの駒井蓮がおそらく声優初挑戦ということで、鑑賞。
名脇役の前野朋哉もちょっと気になってたのもあるが。


という、駒井蓮見たさだけなので、映画の内容も知らないし、絵柄のタッチがこんな独特なのかも知らなかった。
なので、全く期待もしてないというのが率直な事前の印象。



その印象を見事に裏切ってくれる名作。
何というか、奇才すぎる!
こういうちょっとオシャレ破天荒な、ザ・太田出版って感じの作品はそんなに得意じゃないのに、めちゃくちゃ面白い。

作り方がまず奇才。
・監督の個人制作で、制作期間7年以上。
・作画枚数は4万枚超を手書き
・クライマックスの野外フェスシーンをダイナミックに再現するため、実際にステージを組んでミュージシャンや観客を動員してのライブを行い、その実写映像をアニメにトレース。

…いや、意味がわからない。

肝心の内容だが、
間の使い方がとにかく素晴らしい。
原作漫画は未読で、そもそも面白いのだろうが、それが昇華されている。

加えて、タイトルにもなっている音楽も引き込まれる。
まさに古武術というバンド名にふさわしい無骨さ。
からの岡村靖幸のビッグキャスティング。

メッセージ性も良くて、確かに音楽って、いや人生ってそういうもんだよなと率直に心動かされる。

良さの言語化は難しいのだが、ともかく本当にオススメしたい天才な映画。


【舞台挨拶】
前から3列目という好位置で鑑賞。
駒井蓮はノースリーブの衣装。舞台の奇子に引き続き腕出すなぁ。そしてホクロがあるのだなぁ。

ポイントとしては、こんなところ。
・個人製作で7年半の製作期間。
・監督が絵を書いた紙が特殊でネットで売ってなくて、画材屋に行ってリュック一杯に買い込み、1日かけて穴を開けた。

・駒井蓮、スケバンみたいな見た目なので、怖い感じの演技を想定していたら、可愛らしくと指示された。ただ、どうしても絵に釣られて低めの声を出してしまった。
・駒井蓮、見どころとしては、流れにのって見てほしい。

・前野智哉、原作好きだった。まさか2019年初めにLINEでオファーが来て驚き。
・キャラに合わせて、ちょっとリーゼントっぽい髪型で登場。


・芹澤興人、声優初挑戦。
・試写が終わった後、前野智哉と二人で一旦コーヒーを飲んで落ち着いた。

・平岩紙、男子高校生役抜擢に感激。
・バンド名を言うとき、勝新みたいにと監督に指示されて、何度もリテイクした。

・大橋裕之、岡村靖幸に何年も前からアニメの話をしていたことで、見事に出演してもらえた。
・原作よりアニメが本物。
天パ太郎

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