KKMX

音楽のKKMXのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
3.9
音楽が好きなので鑑賞。まおも…かと思ったけど、もう少しおも。

ボーっとしたヤンキー・ケンジくんが仲間とバンドを組む話です。ケンジくんの語りはとにかく間があり、それが個性的でした。絵もローファイな感じで良かった。

ケンジくんのバンド『古武術』の曲はワンノートのハードコア(?)。とにかく、ダダダダダッというリズムだけの曲で、なぜかフガジを連想。完全DIYで初期衝動だけの曲なので、イアン・マッケイ師匠とは地下水脈でつながっているのだと思います。
唯一無二のフロントマン・ケンジくんを支えるオオタくんとアサクラくんのリズム隊もいい感じでした。ベースのオオタくんは調整上手でキャラまでベーシストでした。
オオタくんとアサクラくんが、夜の海辺で「バンド組めて良かった」と語り合うシーンはめちゃグッときた!バンドやりたくなった!


本作は『古武術』のお友だちバンド『古美術』のフロントマン・モリタくんの成長物語でもあります。
フォーク少年で音楽オタのモリタくんは、古武術の演奏を聴いて神秘体験をします(この時の描写がツェッペリンとかのジャケットをあしらったサイケデリックなアニメならではの表現で最高!)。このロック神秘体験はロック好きならば誰もが経験しているはず。俺はメタリカのバッテリーでしたよ、バテリー、バッテーリー!
この時、モリタくんはロッカーとして生まれ変わったのです。駅前で初ブチギレ演奏をすると、それまでそっぽ向いていた人たちが足を止める。そうです、大事なのは魂を燃やし尽くすことなんですよ!

こうしてモリタくんは古美術をクリームみたいなハードロックバンドへと変貌させます。しかし、モリタくんはお利口さん。お利口さんはロックの表面をなぞることしかできないのです。裕也を見よ!お利口さん度マイナス100!マイナス過ぎてロックの希望もないけど。
かくして挫折するモリタくん、しかし、そこにロックの神に選ばれし男・ケンジと再会し、ついに…というモリタくんのロッカー成長物語も見ものです。


本作でもモチーフとなる、ロンドン・コーリングのジャケットは、もはやロックの象徴といっても過言ではないですね!ポール・シムノン万歳!もちろん、ストラマー兄貴万歳!

あ〜、バンドやりたくなった!今度同僚のSさんとスタジオ入ろ。