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音楽のtomharakのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
4.6
傑作。

昔、湯浅政明監督の『マインド・ゲーム』をはじめて観たときと同質の感動があった。まんが原作の味わいを大切にしつつもアニメーション作品として飛び越えたオリジナリティと狂気を湛えたクオリティ。

大橋裕之による原作のあのスッカスカ感、まんがのコマが内包する隙間の時間に込められた情感を逆にめちゃめちゃ枚数つかって細かく丁寧に描くという手法を選択したのが先ず慧眼(だけど狂気)。
キャラ絵のデザインは原作そのままのあの感じ、で動きはロトスコープで生々しく、といったギャップが効果として大橋裕之のまんがを読んでるときに感じる独特のタイム感や味わいにちゃんと結実してるのが凄い。

原作好き過ぎて山下敦弘監督あたりであれば良い感じに実写化してくれそうかなあ、と昔思ってはいたけど中途半端な実写でつくらなくて本当によかった。

古武術のボボボボも概ね頭ん中で鳴ってた音そのままであった…!
『BECK』だの『20世紀少年』だのが実写化の際尽く失敗してきた、映画内で「誰もがこれはヤバいと感じる音楽」を鳴らすことの難しさ、にもビジュアル表現含めて正しい答えを出してる気がしたよ、日本のロック映画史上に残るレベルかもしれない。
超絶爆音で観たい!

※坂本慎太郎!岡村ちゃん…!
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