ボサノヴァ

ジョアン・ジルベルトを探してのボサノヴァのレビュー・感想・評価

2.0
ジョアン・ジルベルトのファンが彼に会いたくてリオの街を探しまわる映画かと思いきや、それをしたドイツ人の手記をフランス生まれの監督が勝手に追体験するという、凄くへんなプロット。一見インタビュー・ドキュメンタリーの体裁だけれど、薄ら笑いで対応する出演者たちを見るにつけ、演出的要素がかなり強いのだと思う。

もちろん、ジョアンにはなかなか会えないのだけれど、いかにもドMな監督のニヤケ顔を見ていると、その状況を楽しんでいるように見え、なかなかキモい。たびたび出てくる無能なワトソンも、上映時間を長くしている原因。この怠惰こそがボサノヴァだ、サウダージだ、とわかったようなことを言って開き直っている感じが、ボッサファンの端くれとしては少しカチンときた。マルコス・ヴァーリの相変わらずのアニキ感に救われたけれど、全体的にリスペクトをあまり感じられない出来で残念。

シュレディンガーの猫のようなラストだけは妙に哲学的だったので、監督はコレがやりたかったんでしょうか。
ボサノヴァ

ボサノヴァ