しょうた

ジョアン・ジルベルトを探してのしょうたのレビュー・感想・評価

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おしゃれなカフェのBGM と思われているボサノヴァの、何がこれほど心を惹きつけ、繰り返し聴きたくなるのか。この映画で、その秘密の一旦が分かったような気がした。
同じブラジルの音楽でも、サンバが生命を謳歌するものだとしたら、ボサノヴァは都市の孤独やメランコリーを歌った特異なものと言えるかもしれない。
それはあるいは、オルフェウスの竪琴のような冥界の音楽、死の匂いのする音楽とも言えるのではないか。そんな風に思ったのは意外な発見だった。
ガショ監督は新聞のインタビューに答えている。
ボサノヴァは「人間の心の深いところに刺さってくる。それゆえに取扱注意の危険な音楽だとも言える。」
エリック・サティの音楽にも通じるものがあるのかもしれない。
バスルームから生まれた音楽、ボサノヴァ。
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