あいたむ

ジョアン・ジルベルトを探してのあいたむのレビュー・感想・評価

4.0
ジョアン・ジルベルト・プラド・ペレイラ・ヂ・オリヴェイラはボサノヴァを創成したとされ、ボサノヴァの神と呼ばれている。

ドイツ人ライター、マーク・フィッシャーがジョアン・ジルベルトに会うためブラジルに出向いた顛末を描いた本がある。
ガショ監督は、マークに強く共鳴し、彼の夢を実現すべく、その足跡を辿りながら、どうにかしてジョアン・ジルベルトに会おうと、ジョアンゆかりの人々や土地を尋ね歩く。

謎解きのような映画だった。
リオの色彩のコントラストに、ワンテンポ遅れたリズム感、そしてギターと歌だけで音楽の歴史を変えたと言われるジョアン・ジルベルトを囲む人々。
決して表に出てこない彼をひたすら思い足跡を辿る2人のヨーロッパ人。
奥様ミウシャがこう告げたのが印象的だった。
「会いたいと言うだけで何もしないのではなく、彼に言葉を投げてみては?彼は言葉を選ぶ人。日本のコンサートだって一通の手紙がきっかけなのよ。」
人を想う気持ちについて、すごく考えさせられた。