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ジョアン・ジルベルトを探してのokaのレビュー・感想・評価

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彼の日本公演には二度行くことができてとても嬉しかったのですが、いかにも社交的でなさそうだったり、エアコンが嫌いだったり、そんな人がどうして遠い外国でのコンサートなんていうことに同意したのかと思っていたら、当時70代だった彼と年の離れたファンの女性との間にお子さんが生まれていたというニュースをきいて、それで挑戦的なことをするような前向きな気持ちになったんだろうなと勝手に納得していたのですが。
この映画で十数年ぶりに彼の消息をきいてみたら、ほぼ引きこもりのような生活になってしまっていて、胸が痛くなりました。

映画は、彼に会いたくてブラジルの街を彷徨った挙句会えず、そのことを本に書きながらも出版直前に自殺してしまったドイツ人青年と、その本を手掛かりに映画を作ったフランス人監督の物語で、探せどもジョアンに近づいてるのかどうかも分からないし、劇中の言語も英語、フランス語、ポルトガル語が飛び交い、何もかもが混沌としてる中でぼんやりとしたラストを迎え、ジョアンジルベルトという人はほんとにいたんだろうかとすら思わされるような感じでした。
少し前に彼の訃報をきいていたので、そのことが却って彼の存在感を強くさせていたのがなんとも不思議でした…