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恐怖人形のYSKのレビュー・感想・評価

恐怖人形(2019年製作の映画)
3.6
ゆーてね、アイドルが主演のB級ホラーですから、ぶっちゃけてしまうと期待のキの字もないわけですよ、もしかしたら作品はキの字かもしれませんけどね?
といいますか呪いの日本人形が、しかも等身大の日本人形が武器と凶器をもって恐怖と悲鳴をまき散らしながら人々を殺してまわるなんていうストーリー、キの字のつく人しか思いつかないし作らないですよね
なのでB級どころかZ級くらいの壮大なズンドコ&トンデモ映画のつもりで見始めたわけですが、存外にトンデモなかったです、むしろいい意味で
冷静に考えてみましょう、呪い系の怖い話では定番の日本人形が武器と凶器を手に襲ってくるんですよ?あげくの果てにはチェーンソーを手に夜道を全力疾走で追いかけてくるんです!どうですか、怖いでしょう(ドヤ)

この作品を大きく2つにわけるとすると、前半の「呪いの日本人形」を軸としたオカルティックかつ悲劇をベースとしたJホラー的な要素と、後半のいよいよ正体を現した「呪いの日本人形」によるスプラッタームービー的な要素を兼ね備えているのですが、どちらも破綻しているようで奇跡的に踏みとどまっており、黄金比を超越したかのようなバランスをとっているのです、聖闘士星矢で例えればアイオリアとシャカの千日戦争の様相です、言いすぎですが

そしてこの作品のオカルティックなところを民俗学の教授っぽい人が、スプラッター的なところをキャンプ場の管理人が狂言をまわすことで登場人物が余計な知恵を働かせることなく怯え逃げまどえたところがいいですね
と、ここまで大絶賛のうえに褒めたたえているように見えるかもしれませんが、面白さは普通です、ただこれだけ書いて残したくなるようなエネルギーはあったのかもしれません

それに、チェーンソーを手に全力疾走する「呪いの日本人形」と逃げまどう主人公のカットを見て、「あ、『悪魔のいけにえ』だ」と思ってしまった時点でおそらく負けです
あと何の脈絡もなく唐突に挿入されたレズシーンにときめいてしまったので負け負けです
そして小坂菜緒さんが太陽を「おひさま」って呼んでいたり、「ソンナコトナイヨ」なんていうセリフがあったから従来の小坂菜緒さんファンに向けてもいたれりつくせりの仕様だったので負け負け負けです
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