まつり

猿楽町で会いましょうのまつりのレビュー・感想・評価

猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)
3.6
もう少しエモい感じの(花束みたいな)映画かな?と思ったけど、全然違った〜!
渋谷は本当こういう空気感、フィルターに合う街だね。渋谷のUPlinkで見られたらエモかっただろうな。

「今じゃなきゃダメなの!!!」って全身で求められること、嬉しいかな?それとも、振り回されてると感じるかな?人それぞれだね。

前半は少し退屈に感じてしまったけど後半からの展開がすごかった。最初からユカのぶりっ子自己愛っぷりが無理でこのまま恋愛映画するなら無理だなって思ってたけど、ギリギリ耐えられる時間配分でした。

映画説明にはユカに「純情」の文字があったが、最初のシーンから純情っぽさは一切感じず自己愛!!と変な気の強さしか感じなかった。けど、「かわいい女の子」に見える人の方が多いのかもしれない。
ちょいちょいうわってなる表情があって怖かった。男の人は気づかないかもしれないけど。わざと入れてたならすごい作品だ。

主演の子(金子大地)はめちゃくちゃ好きになる雰囲気でした。推せる。
ひとつひとつのカットとか、こういうやり取りを「いい」と思う若者の距離感みたいなものはすごく良かった。
けどたまにセリフが浮く感じがあった。演技なのか、「ぽさ」にこだわった感じなのか。うまく言えないんだけど。
ただ単純にユカが無理ーーってなってしまう人もいそう。わたしはギリギリだった。

ユカがそれっぽいシーンにに吐くセリフのセリフっぽさが本当に気持ち悪かった。演技としてわざとなのか、下手なのかはわからないけど、合ってはいたよな。
最高に吐き気するシーンがたくさんあって「こっわ!!!」て言いまくってしまった。
一人称が名前の女時点でゾワゾワしてたけど、ユカのセリフのぽさはすごかった。よくあんなキャラクター作れたな。
ただ濡れ場が多くてあそこまでセックスを描く(女優を脱がす)必要あったか?とは思った。性に対するユカの価値観がいまいち掴めず…。

「何者」っぽさもテーマにあるのかしら。
冒頭の「人を好きになったことある?」「撮りたいものがわからない」から、やはり自己分析というか「自分」があることへの問いかけみたいなものを感じた。
小山田くんはそれを見つけられたのかな。

自己愛の行き着く先はどこなのかね。
でも最近物語みたいな「恋愛」なんて現実にはほとんどなくなってきてるから、ある意味でリアルな作品なのかな、わかんないけど。
好きだけど一人で見たくなかったかも。

あと作中で出るirohaはいい製品なのでいいものだと思います(主張)。

オンライン試写会にて。
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