great兄やん

猿楽町で会いましょうのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)
3.9
【一言で言うと】
「レンズ越しの“本性”」

[あらすじ]
駆け出しのカメラマン小山田修司は売り込みに行った雑誌編集部で、インスタグラム用の写真を撮ってくれる人を探していた読者モデルの田中ユカを紹介される。ユカに惹かれた修司が猿楽町で撮った写真は周囲に認められ、やがて二人は付き合うことになる。しかしユカは、修司を自分の部屋に入れようとしなかった...。

うっわぁ…キッツイなこれは...

観る前の印象としてはありふれた『街の上で』の下北沢系ダウナー映画かと思ってましたが、とんでもない精神破壊系スプラッター映画でした(゚o゚;;
いやマジで...これから恋したいな〜😚って純粋に思ってる奴は本当に観ない方が良い。泣く。てか死ぬ。マジで。

とにかく石川瑠華演じるユカがもう恐ろしくて恐ろしくて...
一見純真そうに見える彼女が、段々展開が進むにつれてエッゲツない“秘密”と“嘘”が露見していく様は、自分がもし彼氏側だったとしたら本当に精神崩壊を起こしてるかもしれない位のドギツさ。
まぁ自分には彼女がいませんけど(^◇^;)...それでもいざ彼女ができたって時にユカみたいな子だったらホント耐えられんかもしれんな😫...

それにストーリー展開も現在から過去に戻り、また現在に戻るという設定が非常に見事かつ興味をそそられましたし、序盤で纏ってたユカの“不穏さ”が過去パートでその伏線が回収される展開はちょっとした鳥肌が立ちましたね。

それから今作の最も厭な所というか、マジでよく表してるなと思うのがあって、それが“人間関係のリアル”さ。
最初は良きライバルであり友人だったとしても、時が経つにつれその感情も薄れていく...
カップルもそうで、最初は彼氏が猛アタックするけど、時が経つにつれてその勢いも薄れていく...やはり人間関係というのは色んな意味で“薄情”であって、“無責任”だよなというのが改めて考えさせられる所でもありましたね🤔

特に声の高い古着屋のバイト仲間がサイッコウに気持ち悪かった。
自分がもしあんなタイプの人間だったらと思うと...いやーしんどい!!😅観終わった後の“虚無感”がハンパなかったです。
本当に最低で最高な映画だよこれは(ー ー;)...

とにかく恋に悩める純粋な人間ほど深くぬかるんだ深淵に叩き込まれる、身も心も深いストレスと鈍痛に苛まれる映画でした。

ハッキリ言って二度は観たくない。
でも今作のように強烈で、尚且つストレートにグサグサと心を抉り取る映画もまた珍しくて、自分としてはかなり“好き”な部類の作品かもしれません。

まぁ歪な人間関係が好きな人はオススメかな(^_^;)

ただ何度も言うように“純粋”な奴は観るな!!
二度と恋愛が出来なくなるぞ!!