Yui

シングルマザー ブリジットを探してのYuiのレビュー・感想・評価

4.1
16歳で出産し、シングルマザーとして娘ブリジットを育ててきたデボラ。そんなブリジットも10代でシングルマザーになり、孫息子と3人で暮らして来たある日、ブリジットが突然失踪。デボラは残された孫を育てる為、自分自身の為、生き抜く道を模索して行く。

アーロン・ポールが観たくて鑑賞。邦題やあらすじから、ブリジットを探すサスペンス的なストーリーかと思っていたけど全然違って、一人の女性がたくさん遠回りしながらも強く生き抜いて行く再生と成長のヒューマンストーリーでした。

地味ではあるものの、前のめりで入り込んでしまう面白さ。サブスクに上がってこないかな~と、レンタルを2年以上迷ってしまったけど、もっと早く借りれば良かったー!そしてレンタルして良かったー!

本作の監督、ジェイク・スコットって、リドリー・スコット監督の息子さんなんですね。派手な作品ではないけど、丁寧で、何とも言えない感情が心にじんわりと広がって行くような余韻を残す作品でした。大事な才能を受け継いでるし、親の七光りでは決してないですね。本作にはリドリー・スコットも製作に携わっているみたいですが。


前半、メスの塊みたいな母親がめちゃくちゃ不快だったし、それに加え衝動的でキレやすく、言葉遣いや立ち振る舞いも下品…。でも、母親として娘の事を愛してるのは凄く伝わる。なので、どっちなの?!と、観てるこちらの気持ちがぐらぐらしました。でもどちらもある人だっているし、いていいんですよね。

母親としても一生懸命だったし、女性としても必死にいきていたデボラ。
原題は『American woman』
邦題は『シングルマザー ブリジットを探して』
どちらの題名も頷ける作品でした。

シングルマザーとして若いうちから苦労し、とても素晴らしい美貌があるのに、破天荒な性格もあり、ダメな男にハマってしまったり…それが、娘の失踪をきっかけに本当に少しづつ変わって行く、変えようとして行く、そんな彼女をシエナ・ミラーが自然に演じきっていました。ハッとするような美人で本当に美しいんだけど、お顔の美しさはもちろん、ストレートに生きる女性の強さがかっこよかったなぁ。

あまり期待してなかったんだけど、静かな中で心に止まる絵やセリフが多いし、所々で自然と涙は溢れるし、目は離せないし、めちゃくちゃ良い作品でめっけもんでした!うまい!

副題とジャケットがセンスなさすぎて残念だけど、アーロン・ポールファンにもリドリー・スコットファンにも観てもらいたい作品。



2021-475
Yui

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