このレビューはネタバレを含みます
あらすじを読んでいて、こういう場合は読まないのが正解だったね。
この題材が出てくるといくつかのパターンがどうしても浮かんできてしまって、妙な心構えというか遅れは取るまいと力んでしまって素直になれない。
それにこの手の映画での衝撃度が弱かったのも残念。
ロストボディは言わずもがな、ハイドアンドシークなんてむしろまさかとこちらに予想をさせることによってデニーロの演技を際立たせて衝撃力を生んでる。
その点で主人公にあまり魅力が無かったのが惜しい。
映画観ていても正直なところこの主人公がどうなろうかという興味がそそられなかった。
序盤から、いや映画として始まる以前の作中時間から、自分では双子の存在によるものだって大凡見当がついてるのに、それによる不利益をそのまま受けてしまっているのだもの。
最初から断固として戦う姿勢が見られたなら、或いは自分でもその存在を知らずに無実の証明へ奔走してくれたなら、もっと楽しめたに違いない。
まあこの辺りは私の好みによるものだから仕方ないね。
色々な映画で苦い思いをした分なのか、今作をそんなに悪い映画には思わなかったけど根幹を担う謎の部分がパターンの範疇から出てくれず、味付けも弱かったからには気持ちとしては乗り切れなかった。