アタフ

ルクス・エテルナ 永遠の光のアタフのレビュー・感想・評価

3.6
前作『クライマックス』が地獄の打ち上げパーティーであるならば、今作は地獄の撮影現場である。

やはりギャスパー・ノエという監督は、鬼才というか奇才というか、とにかく唯一無二の監督なんであることは分かりましたよ。だってこんな映画普通作らないからね、本当に。好き嫌いは別として。

ギャスパー・ノエ作品の中では、前作『クライマックス』が素晴らしく最悪(誉め言葉)でありかつ、意外と見やすい作りになっていたのに対し、今作はもやりたいことをやった感が凄く、観客は置いてきぼりにされ、もはやギャスパー・ノエ信者ぐらいしかこの作品を絶賛することはできないレベルだ。

シャルロット・ゲンズブールがシャルロット・ゲンズブール自信を演じ、魔女狩りに遇う魔女を演じる。言ってしまえばそれだけの映画だ。ただその中で、監督、撮影監督、プロデューサー、演者、それぞれが不満をぶちまけ、撮影現場がぐちゃぐちゃのカオス状態になってゆく。
そんでもって画面がは左右に2分割され、それぞれの別の場所にいる登場人物を同時進行で描いていくので、相当頭が混乱しますね。
全体的に「これは実験映画なのか??」と疑問を抱くが、そもそも『カノン』や『アレックス』の頃から普通じゃない撮影方法や演出を取り入れる監督だったので、これもその一環なのかなと、ただ本当に見ずらいです(笑)2画面それぞれに字幕が付くとどっちを追っていいのか分からなくなりますね。

そしてクライマックスでは、強烈な光の点滅が映し出され、マジで見るのが辛い…
アニメのポケモンのポリゴンショックの映像を延々と見せられているようで、直視を続けていたら確実に気が飛んでいた気がします。この映画大丈夫なんかね??気分が悪くなった人絶対にいたと思うんだけど…

磔に遇うゲンズブールが強烈な光の点滅で、トランス状態に陥り、それがなんかこう神秘的な感じで…十字架が出てきて…
うん、よくわかりませんでしたわ。この映画の表現したかったことについては、皆さんのレビューを見て理解しようと思います。

ハッキリ言ってこの映画が好きな人なんて1000人に1人ぐらいでしょうけど、こんなにも良くも悪くも作家性が強烈に出る監督もいないでしょから、次の作品も見に行きますよ。ノエ監督。



余談としては、シャルロット・ゲンズブールの他に、アビー・リー・カーショウとかも出てきてビックリ。あとエンドロールまでやんなよ…目がおかしくなりそうだったわ。
あともう一つ、『エンター・ザ・ボイド』や『クライマックス』のような最高にイカすオープニングクレジットがなかったのは残念。
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