氷雨水葵

ミッドウェイの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

ミッドウェイ(2019年製作の映画)
3.6
2023年1本目

1本目にした意味はとくにありません。

◆あらすじ
第二次世界大戦中の1941年12月7日、戦争の早期終結を狙う山本五十六海軍大将(豊川悦司)の命令で日本軍は真珠湾を奇襲する。

大打撃を受けたアメリカ軍は、艦隊司令長官にチェスター・ニミッツ(ウディ・ハレルソン)を立てる―――。

◆感想
キャスティングが豪華で映像もすごい!戦争映画はあまり観ないんですが、日本人の記憶にしっかり刻んでおくべき歴史です。一応、攻撃されるアメリカ視点ってことでいいのかな。アメリカが勝つという結果は知っているけれど、浅野忠信演じる山口多聞少将が飛龍と運命をともにするシーンはじんわり来ました。艦が沈んでいくときって、なんであんなに胸が苦しくなるんだろう…。

個人的にはUSSエンタープライズやホーネット、ヨークタウン、日本の戦艦では大和や蒼龍、加賀、赤城などが登場してテンション上がってました。日本は大和以外の4隻(飛龍を含む)を失い、アメリカはヨークタウンのみ。序盤は日本にとって有利だと思われたミッドウェイ海戦が、失った空母の数を見るとそんなにでもないという現実。
第二次世界大戦の戦況を変えた戦いとはいえ、どうにも日本はあっけなかったように思えますね。

本作の主人公は、エド・スクライン演じるディック・ベスト大尉と、パトリック・ウィルソン演じるエドウィン・レイトン少佐。まぁどんな状況においても無鉄砲で血の気の多い人は嫌いなので、正直ディックには感情移入できませんでした。一方で、裏方として戦っているレイトン少佐は日本軍の侵攻を予測し、こういう戦略でいけば勝てるという頭の良さが光る人物でした。前の上官に強く言えなかったことを後悔し、それを教訓としていますが、現上官であるニミッツにはしっかり進言し、国のために戦っている献身的で熱い男という感じ。エドウィン・レイトン少佐のお写真を見ると、雰囲気に寄せているのか、すごく似ていました。本作に登場する人のほとんどが、特徴を捉えていてそっくりなのですが、レイトン少佐もその一人でした。

あと、ウディ・ハレルソン演じるチェスター・ニミッツ大将素敵でした。ウディ・ハレルソンがすごく好きなので、どんな活躍を見せてくれるかと楽しみにしていたのですが、静かながらも国のために戦う、こちらも闘志を秘めた人物だったように思えます。実際、艦で指揮を執っていたのはR・A・スプルーアンスですが、アメリカが勝ってレイトン少佐とニミッツが固く握手するシーンにじんわり。その後は元帥にまで昇りつめ、「ニミッツ級航空母艦」と名前がつけられるほどの活躍をしたとか。

日本軍側では山本五十六海軍大将と山口多聞少将の活躍が描かれていました。まぁ山本五十六については大和に座乗するだけで目立った活躍はなかったように思えますが。実際、現場で指揮を執っていたのは國村準演じる南雲忠一と山口多聞少将でしたし。南雲忠一はなんというか、國村準の演技もあってかなり嫌なやつポジになっていました…。

正直、軍人たちの背景が細かく描かれていないので感情移入しづらく、目立ったドラマパートもないので、ローランド・エメリッヒお得意の壮大なCG(主に艦隊戦)のみが見どころです(笑)
ミリタリーやダイナミックな映像表現が好きな人は観ていて面白いと思います!
氷雨水葵

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