すずき

T-34 レジェンド・オブ・ウォーのすずきのレビュー・感想・評価

4.2
第二次世界大戦時のロシア。
迫りくるドイツ戦車中隊を、一機のT-34戦車だけで撃退したニコライ少尉は、しかしドイツ軍の捕虜となる。
収容所にてドイツ軍イェーガー大佐から、実戦演習するから捕獲したT-34に乗り込め、ただしオメーの砲弾ねーから!と公開処刑のような命令を受けたニコライ達。
だが隠されていた僅かな砲弾を発見した彼らは、この戦車で収容所から脱出する事を画策する…

戦争映画って、少し苦手ジャンルで、実はあんまり見た事ないのだ…。
しかしFilmarksの評判が良いので、今年最後に劇場で見てみたけど、その評判は伊達じゃなかった!
戦車砲の爆音、キャタピラの轟音、砲弾が装甲を掠める金属音と兵士の怒号が臨場感たっぷりに大音量で聴けるのは劇場ならでは!

序盤の歩兵目線の戦車が怖い!
表情の無い鉄の塊、人間では敵わない死の概念のような存在。
ヘビに睨まれたカエルのように硬直してしまう歩兵の気持ちも分かる。
しかしこちらが戦車に乗り込んだ時の、謎の高揚感も伝わってくる!
いくぞFilmarksの同士エイガスキー、共にナチスと戦おうぞ!(すぐに影響される私)

シナリオは胸熱、戦車バトルも熱い!T-34の車内以上に熱い!
それまでは戦車同士の戦いって、爆発とか見た目は派手だけど、案外やってる事は地味で、あんまり面白くなかったイメージ。
敵戦車の前面を撃っても効果が薄いから、互いに側面を取り合う所とか、サーチ&デストロイしてまた隠れて…とか。
だけど、この映画はそれをスリリングかつ面白く描いていた気がする。
戦術の読み合い、騙し合いの面白さもあるけれど、チームスポーツとしての面白さを戦車バトルに感じたのが新鮮だった。
観測して指揮するリーダー、砲弾の装填手、運転担当の操縦手の最低3人のチームで戦うスポーツ。
運動会の騎馬戦にも似た、チームワークの勝負。
これが「戦車道」ってヤツですか?ガルパンよく知らんけど。
戦車とか戦争とか興味なくても楽しめる…かも。女の子でも楽しめる…かもなイイ映画でした。

湖ですっぽんぽんで水浴びするオッサンたちの姿に、ジョニー・トー監督映画のキャラクターが被った。
いい歳したオッサンだけど、いくつになっても男は少年!

VFXはあの「バーフバリ」の所が手掛けたのね。
どうりでスローモーションが多いわけだ(笑
もちろん迫力も「バーフバリ」級!