maya

T-34 レジェンド・オブ・ウォーのmayaのレビュー・感想・評価

3.9
ロシア映画がこんなに日本で話題になることなんて今までなかったのでは...
初めての純正ロシア映画だったので、リズム感や価値観に「ほほーん!」という感じでした。CGはバーフバリの技術チームと聞いて、いい仕事人はバンバン国を越えてるんですね...!
ていうかロシア同性愛で処刑される国だよね!?大丈夫!??というレベルのブロマンスものだったけど、めちゃくちゃ言い訳チックにヘテロロマンスブチ入れてくるの雑で笑った。
制作者サイド、二人のニコラウスに対する熱量すごすぎて、プロットはさっぱりしてるのにキャラがめちゃくちゃ作り込まれている。大佐が落ちるシーンとか、B級映画あるある「悪役はとにかくこっ酷くぶっ飛ぶ」と真逆のすごく綺麗なカットだよね。敵役やモブキャラに愛を注ぐ映画は名作って決まってるんだ。戦車モノなのに全キャラ絶対細かい設定資料あるよね?え?見せてください。
ところで、ロシアにとって「ドイツに勝った」という事はコロナ下で超盛大な軍事パレードをやるくらい、未だに国家の礎になってるわけだけど、若い監督が本作をつくり、それが大ヒットするということは、ロシアの若い世代もやはりナショナリズムから脱却しつつあるのかな?と思います。「あの時代のドイツにも人間はいたということが描きたかった」とインタビューで監督が言ってるが、その発言が許されるほど、共産国ロシアも進歩しつつあるのだろうか。昔と違い、どの国の人も、互いが人間であることをネットを通じて知っている。本作のように若い世代の感覚の作品がもっとロシアから世界に発信されてほしい。
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