くりふ

ヒンディー・ミディアムのくりふのレビュー・感想・評価

ヒンディー・ミディアム(2017年製作の映画)
4.0
【インドの隣人】

劇場行く気だったが公開すぐ終わってしまった。レンタルで。

いい映画でしたが開放感はないですね。着地に成功か失敗かよくわからぬままのエンディング。

インド映画特有の大仰なデフォルメは効いていつつも、親しみやすさが魅力ではありました。より、インド人が近所にやって来た感じがいたしました。

その意味でも、後半がずっと面白い。前半は人間らしからぬ嫌らしさがずっと続きますが、偽装することで逆に、人間らしさを取り戻すというインターバル以降が、より親しみながら共感できましたね。

下町の服屋さんが、ブティックにランクアップしてこう変わるのか…といったファッション事情がわかるイントロがまず面白いし、お受験事情もナルホドーの連続。

どこの国も根は同じでしょうが、独特の冷ややかさを湛えたインドの階級意識には、やっぱりカースト制度の差別感が尾を引いている気が、してしまいますね。

で、面白いのは、子供自身は常に、大人の蚊帳の外ってこと!

イルファン・カーンは相変わらず達者で、最後の演説も彼頼みだったのでしょうが、やっぱりアレ説得力薄いです。そもそも、ナンデ皆、座って大人しく聞いてんの?って疑問が先に立ってしまう。

個人的に配役で面白かったのは、『あなたの名前を呼べたなら』では貧しくとも健気女子、を演じていたティロタマ・ショームさんが、コッチでは正反対の役を綽綽と演じていたこと。女優って、女って…まぁ。

全体、親しみ易くとも、コレでいいの?と疑問なトコロが幾つかありました。そこに引っ掛からなければ、もっと没入できたかも。

自分がインド事情に暗いせいでそうだったのかは、今後のお勉強次第かなぁ。

…そもそも、あの偽装のままじゃいつか、バレるよねえ?(笑)

<2020.4.14記>
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