イライライジャ

アマンのイライライジャのレビュー・感想・評価

アマン(1995年製作の映画)
3.8
テルグホラーと思いきやホラー映画でなく女神映画であり、女神を信じ敬い拝む者だけが救われるというインドの教育映画の様な物語。女性が虐めを受け続ける描写がひたすらに胸糞悪いが、女神様が目には目を見せてくれる。そして神だからと言って慈悲を与えず悪い奴はとことんブチのめすのがインド方式。
絵面的に強烈だけどちゃんと歌やダンスもある忘れられないインド映画だった。

女神パールヴァティが悪を懲らしめる女神ドゥルガーになり、そしてそこから殺戮の部分だけが目覚めた女神カーリーに変わる瞬間がクールすぎて泣いてしまう。隣のオジサンも合掌していた。
何より女神役は『バーフバリ』のシヴァガミ様。あの剥き剥き目ヂカラは当時から健在のご様子。

95年のテルグ映画ということでもちろん信じられないほど他国や北インドより画質や音質やノリやクオリティも低い。ただ現在も北より南のほうが描写がエグいと言われているため、流血やベッドシーンもバッチリ写していた。これがクオリティ高かったら普通にアウトレベルの胸糞。
ホラー映画ではなかったけどホラー好きから観ても異質かつインパクトが残るのは間違いない。ジャンル的にはシャールクの『アシュラ』に近いがそっちは化身で、本作は神そのものが復讐してくれる。インドではドゥルガーやカーリーは人気が高く、復讐の女神のため映画でもよくストーリーがなぞられることが多い。古いテルグ映画は意外と日本で観れる機会がないので新鮮で面白かった。