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ワイルド・ローズのwoosのレビュー・感想・評価

ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)
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新宿ピカデリーにて字幕版を鑑賞。
2020年新作劇場鑑賞32作目。
客席はほぼ満席。
テーマ「本当に大事なもの」

[全体として]
カントリー歌手にとっての聖地ナッシュビルでの成功を夢見るスコットランドのシングルマザーが、刑務所からの出所後に様々な困難を乗り越えていく話。
何となく去年観た『パティ・ケイク$』とか『ハッスル・アンド・フロウ』とかっぽい映画なのかなーと思って鑑賞してみた。
それにしてもカントリーとは、まあテイラー・スイフトもカントリー出身だし最近だとリル・ナズXとかもいるから、旬といえば旬か。

[良かったところ]
曲が良かった(既存の曲だけど)し、主人公ローズを演じるジェシー・バックレイの歌唱力も説得力があった。あと、その曲が主人公の心情を反映する歌詞になっていたのも良かった。
ライムスター宇多丸さんがこの手の映画を評する時よく出すのが「(夢)が持っている(呪い)という側面」の話だが、この映画でもご多分に漏れずそういう描写がある。そして自分も含む、夢を持っているが成功を手にできていない多くの人も同じく抱えているものだと思うので、すごく痛々しい。
それと、本場以外で生まれ育った人がそこに行けば自分は変われると思い込むというのも凄くよく分かる。自分自身、田舎から東京に出てきたわけだし。ヒップ・ポップを志す人だったらニューヨークにいくだろうし、レゲエだったらジャマイカのキングストンがそうだろう。しかし、世の中そう簡単には出来ていない。ヒントはいろんな人がくれているのに、それになかなか気付けないというのはホントそうだと思う。
そういう多くのドリーマーが陥りがちな困難を主人公に与えて、主人公が成長した姿はとても感動的だった。

[気になったところ]
それにしてもこの主人公のパーソナリティが子供っぽ過ぎてけっこうイライラした。まず、図々しい、責任感の重大な欠如は子育てをしたことない自分ですらあれはちょっとないんじゃないの?と思うレベルだった。まあ、知らんけど。
あと、犯罪歴隠すのはしょうがないとして、スコットランドは子供がいると就職出来ないのか?ま、仮にそうだとしても雇い続けてくれているということは、清掃婦としての能力を認めてくれているということなんだから、実は子供がいるという話は別に隠す必要ないんじゃないだろうか?それが結構とある場面のネックになっていた気がするし。

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気になるところはちょっとありますが、カントリーミュージック映画として良かったです。
オススメです。
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