詩織

草間彌生∞INFINITYの詩織のレビュー・感想・評価

草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)
4.5
草間彌生

草間彌生の芸術の独創性は彼女の幼い頃の家庭の問題やトラウマからくるものだった。芸術などの表現は草間のように心の中で閉じ込められている孤独な感性や感情を自分の身体から外に出そうする動きの中で生まれるものなのではないかと思った。
精神的に恵まれなかった幼少期の家庭生活を経て、男尊女卑や人種差別が今より色濃く存在する世の中で単身でアメリカに渡り、自分の表現する「新しい」芸術を信じて行動し続けた。その時代にゲイの人たちの結婚式を行ったことなど逆境の中で「成功する」「成功しない」ではなくとにかく行動し続け立ち向かう草間彌生の力強さに惹きつけられた。
草間彌生は多くの人に認知されるようになって認められるようになったから今までの軌跡が美談として語ることができるようになったと思う。私は作品ではなく独特な感性、精神的力強さ、自分を信じる生き方が彼女の芸術だと思った。今までもこれからも一生世の中に認められない芸術家もたくさんいるだろうと思うが、成功に繋がらなくても自分を信じ、自分と向き合う生き方をする草間のような人たちはかっこいいと思うし、私の中で理想だと感じた
詩織

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