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草間彌生∞INFINITYのLのレビュー・感想・評価

草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)
4.5
草間彌生の作品は何度と何作品も本物を目にしてきた。どんな気持ちの時でも、あの作品を観ると感動する。それは今や世界的有名な現代美術家であり、日本の美術界においては永遠に名を刻まれるほどになった方の作品であるという先入観を除いて感じる。
この先入観を省いて芸術作品を観ることは、難しいと日々感じている。何故なら、やはり名を残すほどの影響を与えた画家の、その中でも特に目立つ作品は、他者に存在感を感じさせるからだと思う。だからこそのものである。それがお互い良くも悪くも=に働くが、現代のようにすぐに検索でき、経歴も調べ上げSNSにはレビューに並べて写真まで上げられている。それをスルーして生活することは難しく、自然に本物の第一印象は失われてしまっているから。
だけど何故か草間彌生の作品だけはその命や精神を削ってもたらせた生命力、生きることとは、自分の人生の時を感じさせる。それがどのようにして生み出されてきたのかを歴史の授業のように、そしてそれをリアルにみてきた人々と本人の言葉を交えて知ることとして、このドキュメンタリーは良いと思った。ある意味、日本人の画家を日本人が中心ではなく、海外の方が日本人に訴えかけていることがまあ面白いし、そうでなければ今の草間彌生は成り立っていなかったことを実感させる。
家庭環境、人種差別、戦争…などタイムリーに誰しもが、今まで以上に何かを感じ取っている今日だからこそ、より私に、見る者にとって力を与えてくれるのが草間彌生の作品ではないのかと思った。今描き続けてる最中の草間彌生作品は、いつも明るく鮮やかで元気にさせてくれる。他人の人生を知ることで自分の人生を見直せる。そして何かを与え、受け止める余裕を授けてくれると改めて教えてくれた気がした。