草間彌生∞INFINITYの作品情報・感想・評価 - 5ページ目

上映館(14館)

草間彌生∞INFINITY2018年製作の映画)

KUSAMA: INFINITY

上映日:2019年11月22日

製作国:

上映時間:77分

あらすじ

「草間彌生∞INFINITY」に投稿された感想・評価

 「凄まじい天才」と、支援者が言うように、草間彌生こそ本当の天才なのだろう。世にいくらでもいる天才と呼ばれる人ではなく。
 このドキュメンタリーは、時系列で草間を捉え、数々の関係者や学者の証言から彼女の価値を説明してゆく。
 面白い。
 今では展覧会があると水玉もポップなので、若い女性をはじめ人気があるが、不遇の時代があったことも、男性中心のアート界の壁についても描いている。
 思えば30数年前、大学時代に新宿のオールナイトで「草間彌生の自己消滅」を観た。まだ「パフォーマンス」という言葉はなく「ハプニング」といっていた頃の映像で、ニューヨーク時代のものだった。
 びっくりした。なんだかわからないが、インパクトは凄かった。
 ケネス・アンガーの「ルシファーライジング」とジョン・ウォータースの「ピンクフラミンゴ」も観たが、負けず劣らずだった。
 
 凡庸な言いかたになるが、草間こそ「唯一無二」の存在だろう。
 病院とアトリエを行き来しつつも(平たく言えば病気なのに)、創作を続けたり、水玉やスカルプチュアはペニスへの克服だということなど、気取って上品なアートはではなくても支持され評価されているという意味でも。
 
 彼女の作品録としても、ひじょうに価値のある映画だった。
 圧倒される。
 
narajun

narajunの感想・評価

-
作品はもちろん存じてますが、
他のことに関しては全然知らなかったから、いろいろ衝撃でした。
Misae

Misaeの感想・評価

3.9
絵は見たままを描けばいいんだよ、と言われるとおり、彼女が見た世界を見せてもらってるんだな。
家を、日本を飛び出して作品を作り続けても長い間認められず、それでもやっぱり描き続けた彼女が錦を飾った松本市美術館。行ってみたいです。
草間彌生さんの壮絶な人生と、芸術を丁寧に描く、秀作ドキュメンタリー。時代が彼女に追いついてきて、爆発的に売れてきて、長年の苦労が報われて、本当に良かった。本作品はドキュメンタリーであり、そして寂しい終わり方ではないので、オイラの思いを以下、箇条書きにします。

1、この映画、長野県松本市、ニューヨーク、東京と場面展開が豊かで、大過去、過去、現在とそれぞれの時代の持つルックと、空気感が伝わって秀逸。

2、草間彌生の瞳、現在、創作中でありながら、入院患者でもある彼女、しかし、この映画に記録された、哲学者にも似た未来を見つめる深い眼差しと眼光で、監督のリスペクトの思いが強く伝わる。

3、ジョージア・オキーフの映像のインサート、草間彌生に大いなる影響を与えた女流画家、彼女の若かりしその映像は、シャーロット・ランプリングをも彷彿とさせる美貌であり、室内を映した柔らかなモノクロームの移動撮影は、微笑を湛えたオキーフの立ち姿へと帰着する。貴重な映像資料であり、この映画の演出としても印象的で、立体感を与える。

4、映画・映像と草間彌生、彼女の作品、閉鎖された小部屋に張り巡らした合わせ鏡の中、無限に増殖する光やオブジェたち。インスタレーション。遅行した『上海から来た女』。等質・無個性なものが増殖するイメージは、細胞分裂みたいな様で自然的であり、人類の憧れのようなものを感じる。同時に、人口爆発や環境破壊などのような、不可避で危険なイメージも。更には、大量消費社会を風刺しているようであり、そのシニカルな風貌は、オーソン・ウェルズやサルバドール・ダリを彷彿とさせる。また彼女の監督作品『草間の自己消滅』(1968)も、独特の世界観を持って居りそうで、とにかく、映像の世界にも草間彌生は、強い共鳴性を放っている。

(5、天才とNHK 、数年前にNHKで、草間彌生の近況を伝えるドキュメンタリーを見た。絵画への強い制作意欲を持ちながらも、精神病院とアトリエを日々往復するだけの単調な生活の彼女。疲弊した姿が容赦なく綴られており、鋭い眼光の草間彌生の描写は乏しかった。もっと彼女に光を与えた演出が欲しかった。天才には無限大∞の称賛を。島国根性で100年遅れないように。そんな思いを持った。)
ユーロ

ユーロの感想・評価

5.0
芸術家草間彌生さんの人生を描いたドキュメンタリー1958年からは単身ニューヨークに渡り数々の作品を発表、その後失意の元日本に戻ってきてブレイクしました。
戦前の生まれで、芸術界にもアジア人差別や女性差別が溢れる中でかなり重い精神病と闘いながら成功する姿は鬼気迫るものがあります。映画自体は米国人女性監督が撮っているのですが、その視点がまた素晴らしいです。日本以降は精神科医同席でイタリアに行ったり昼はアトリエ、夜は精神科に戻ったりとそのバイタリティがとにかく
すごいです。
草間彌生さんのドキュメンタリー。

彼女の展覧会にも行った事があります。

女性だから、というだけで認められなかった時代を切り開いた人。

強迫神経症に苦しみながら、描かずにはいられない。

狂気との狭間で描いたゴッホと近いものを感じました。

2019.11.22 今年162本目
航

航の感想・評価

4.0
本人のキャラクターや、有名作の独特さ、個展を観に行った時は、水玉の突起のあるテーブルが展示されてて印象に残っていました。ですが、ご本人の生い立ちや、経緯を存じ上げませんでした。それを垣間見ることができる映画。すごく良かったです。
フリーパス20本目
学生時代、映画にも出てきたフジテレビギャラリーでの個展が、草間作品との出会いでした。こんな作品があるんだと、衝撃を受けたの覚えてます。その後、銀座の画廊で働いていた時、その画廊の松本出身の営業さんに、草間彌生さんが著書を持っていらしたんですよ。日本では、まだあまり認知度がなく、失礼な営業さんは、その本をぞんざいにほったままにしていたので、私がもらったんですよねー。もちろん、サイン入りでした。その後、1枚だけ購入したリトグラフは、今でも私の宝物だったりします。
と、思い出話になりました。
とにかく、すごい人。
その半生を全部ではないけれど、知ることが出来ますよ。
草間彌生自身がどれだけ壁を登って道を切り開いてきたかを伝える一方で、
日本で芸術を武器にすることの生きづらさ、間口の狭さも際立っていて悲しくなってしまった。
(日本で受け入れられたのが90年以降だったなんて知らなかった…)

“水玉”が彼女にやっと息ができる世界を与えて、精神を病みながらも自身を没入させることもできて、
その中で自由に泳ぐことができていたのに、
スキャンダルを耳にしただけで存在を拒絶してしまう。
「恥さらし」と罵倒したり高校の卒業名簿から名前も削除したりしたのに、
今では観光のコンテンツとしてありがたがっているなんて皮肉にも程があるでしょ…。
本当に悲しい。

ただ、過酷な日々の果てに時代がやっと彼女に追いついて、今や世界中にその名と作品性を知らしめた今があるという現実がただただ救い。
そして、ドキュメンタリー映画だから伝えられる強い芯を観た気がする。
ポップで明るい色調の水玉イメージが強い草間作品だけど、今の作風になるまでを追っていくドキュメンタリーでこんな作品も作ってたんだと新しい発見があった。
取り上げてる時間は短いけど、入院中のダークな雰囲気のコラージュ作品をもっと見てみたいと思った!!