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犬王のまるまるのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.5
テレビアニメ「平家物語」が面白かったので、立ち寄った本屋で、原作「古川日出夫版平家物語」を探したら、それはなくて、これ「平家物語 犬王の巻」があったので「続編かな?ま、いっか」ってことで購入してみた。
家に帰って、よくよく表紙を見たら「時は室町、新時代に最強バディが奏でる、極上エンタメ、爆誕!」とか書いてある。
…時は室町?…平家物語??
どうしてこうなった!???
読んでみたら、「古川平家物語」と「犬王の巻」は続き物というわけではなくて、主人公の一人、琵琶法師、友魚の演目が「平家物語 犬王の巻」ということでした。
サイエンスSARUと河出文庫の見事なトラップ。つか表紙をよく見て買えとw

「平家物語」は、鎌倉時代を経て、室町の世になっても、巷間耳目を集め、異聞が次々発掘され、琵琶法師や猿楽の舞台において、おおいに人々を賑わせてたそうです。
娯楽を求める受け手と、娯楽を追及する仕手。
今も昔も変わらぬ人の質だなぁ、なんて思いながら読んでました。

で、映画の話。
室町の京の町に、エレキギターが、ブレイクダンスが、マイケルジャクソンのステップが、ボレロの全身を大きく使ったバレエが、ロックユーのイントロがwシルクドソレイユの大仕掛けがww
今も昔も変わらないにも程があるだろ!w
面白かったです(^^)/
大胆だなぁ、この監督。
人のふんどしで映画つくっちゃいましたよw
アニメだからいいのかな?


ストーリーは、手塚治虫「どろろ」や、こないだまでやってたアニメ「王様ランキング」と同様、1番になりたい父親の欲が悪神と契約を結び、その代償として生まれてくる子供が不具になるというのが、話の起こり。
本家「どろろ」も最近アニメや漫画でリメイクされたようだし、この手のストーリーが今の人の何かに響いてるのかもなのですが、やっぱあれかな?
弱者利権に対する不信と不満かな?
百鬼丸を見ろ!ボッジを見ろ!犬王を見ろ!と。
障害を持つ人であろうと、なかろうと、尊敬に値する奴は尊敬され、侮り誹りを受けるに値する奴は侮り誹りを受けるのは、何もかわらないだろ?
人の世を、一見きれいなコンクリートばりのカッチカチの偏った理想論で塗り固めようとするなよと。
混沌としてこそ人の世なんだよ。
賢しげに上から目線で、
いちいち分断を煽るんじゃねーよ!っていう。
胡散臭いよね、リベラル。日本に限らず世界中のね。
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