『運動靴と赤い金魚』のマジッド・マジディ監督作品。
一人の青年が少女への一途な愛を注ぐ物語ですが、背景にはアフガン難民問題が描かれている。
この当時で、アフガニスタンから150万人とも300万人ともいわれる人々がイランに逃げています。
実にシンプルで切ないストーリーでした。
17歳のイラン人の青年が新たに来たアフガン人の少年に仕事を奪われたため嫌がらせをする。しかし、あるときその少年が少女だったことを知り、彼は少女に恋をしてしまう。
イランでアフガン人を雇うことは違法であり、しかも女性であることがバレたら首になってしまう。彼は必死に彼女を守ろうとしますが、彼女は去って行ってしまいます。必死に探すのですが…
少女はひと言も言葉を発しない。アフガンは宗教により女性が他者と安易には関われないことがうかがえる。
彼女が落とした髪留めを大切に持っている青年。
そんな無垢で一途な想いが心を打ちます。
過酷な労働に心が痛みましたが、現場の親方がアフガン人に優しいことに救われました。
少女の面倒をみる労働者のオジサンや少女の父もいい人で、アフガン人であることの誇りを持っている。祖国を愛する強い気持ちが伝わってきました。
靴と金魚が出てきたのは監督の思い入れでしょうか。