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生きるのyusukepacinoのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
3.9
大した仕事もせずに自分の椅子を守るだけの課長が胃癌になった。
志村喬の抑えた演技が染みる。
突如として突き落とされたような孤独感を覚える。生への渇望。女子社員との楽しいひと時に生きた心地を感じる。死期が迫り、失った30年間を取り戻すかのように仕事に邁進する。命を削りながら。
志村喬と金子信雄が親子なのか。
事なかれ主義の官僚、市民のためを思って尽力した一課長の死すら黙殺されそうになる。見てる人は見てるってこと。こればかりは今も昔も変わらない。しかし遺影の前で語らい合う会話を聞いていると様々な面で日本のスピード感の無さを象徴しているように思った。周りに流される日本人。腐ってる。死が無駄にならなかったことだけが救いだった。
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