HidekiIshimoto

生きるのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
5.0
黒澤明自身1番好きな作品だと言ってたこの大傑作がビル・ナイ主演、カズオ・イシグロ脚本でリメイクされてる記念に、もう何度観たか不明だけどまた観た。相変わらず何度観ても映像術が超絶面白い黒澤映画。何という細やかな演出。何という洞察。胃癌発覚どん底の前半から、後半決死の再生への繋ぎの♪ハッピーバースデーのあざといほどの感動シーン。あざとくてもまた歯軋り涙。お役所コメディのようなお役所ホラーかもしれんこの感動作が、けど凡百の感動ものと一線を画してるのはラストいっこ前シーン。初めて観た時はその容赦なさに俺の顔も左卜全になったもんだ。今観ても70年後まで何一つ変わらぬ日本人気質を完璧に予言してしまってて、またも激しく左卜全になった。この国にはやれと言われたからやってるだけの雑務に没入して多忙なフリすることで、ほんとにやるべきことが出来ないフリして、それで給料だけがっぽりもらってる人がほんとに沢山いる。そんなフリ名人や天下り名人の方々は即刻胃癌になってもらうしか、もうこの国が救われる道はないかと思われる。