こうき

生きるのこうきのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
4.0
黒澤作品はまだ4,5本目くらいだけど、勝手に「三船敏郎が出る時代劇」って印象を持っていたけど、この作品は現代劇。
現代劇といっても70年近く前の話ではあるけど。それでも今見ても通ずる部分があった。
そうゆう意味で、普遍的な人間性が描かれた名作なんだと思う。

それにしても構成がおもしろかった。
渡辺さんが復帰して活力を見出していく姿は主体的に描かれていない。
あくまで渡辺さんの周りの人たちが追懐する形で客観性によって表現されている。
見ていて急に5ヶ月が経って、「え、何でや…!」って思ったけど、渡辺さんがどれだけ変化して、どれだけ影響を与えたのか、人として「生きる」を果たしたのか、そのことを感じさせてくれるのにとても効果的な構成だったのかな、と思った。

あれだけの人間になるのはやっぱり精一杯「生きねば」と思う。
こうき

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