まさなつ

生きるのまさなつのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
4.4
い〜の〜ち、みじいかし〜こいせよぉ〜おとめ〜♪

三船敏郎の出ない黒澤映画なんて!

でも、これだけは例外。

若い頃に観た時は、画像の暗さや志村喬のポソポソ声も聴きづらく、黒澤明にしてはやけに暗い作品と感じてました。志村喬の顔はさしずめホラーのよう?!(失礼)

でも、歳を重ねて観るととても心に沁みる作品となりました。

テーマは至ってシンプル。

生きるとは。
働くとは。

働くとは、側(はた)を楽にすることと言いますが、まさにそう。

さらに、自分の心も楽にするということでもあると思います。

テーマはシンプルですが、構成は凝ってます。相変わらずの練られた脚本。暗い話なのに病院のシーンのやりとりなんて思わず爆笑^_^

この作品、階段のシーンが印象的でもあります。

自宅の階段。一階には早くに妻を亡くした主人公。二階には息子夫婦が暮らしている。その(心と心の)間にある階段。

主人公の転機となるハッピーバースデー流れる中での階段の登り降りの対比。見事です。

人はキッカケがあったとしても中々変われないもの。でも、いつからでも遅くはないとズバッとストレートについてきます。

時代背景は古くても普遍的な作品です^_^
まさなつ

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