街に広がる有毒ガスから、学生時代に培った登攀のスキルを駆使して上へ上へと逃げていく。アーバンフリーソロというのかSASUKEというのかアサシンクリードというのか。最初は両親の古希を祝う結婚式場のような低層ビルから壁伝いに鍵のかかった屋上を突破して、時に10分しか持たないガスマスクを使って別のビルを一から登り直して、最後は同時登攀で完登を目指すお話。頂上に向けて取り得る選択肢が減り、物語も極点に向けて収束していくため、視覚的・意味的な構造が一致してラストに得られるカタルシスも大きい。まず、その物語構造が見事。
(※他にもこういう上を目指す系の映画あるだろうか？タワーリングインフェルノとかダイハードとかは似てる部分もあるが、明確に上を目指す話でもなかったはず。メルーとか登山系の方が近いのかな)
韓国においては無職だと皆んな言うこと聞いてくれないんだなとか、親からは役に立たないとドヤされていた趣味（クライミング）が結局は身を助ける(connecting the dots)のだなとか、普段はドローン禁止でも非常時には飛ばせる枠組みあると良さそうだな...とか思うことも多々。
毒ガスがゆっくり上がってくるのがそもそも初期設定として怖いのだけど、焼肉の排気システムで一気に噴出してくるあたりとか、韓国的なツイストもあって見事でした。
あと、少女時代ユナがキュートかつ登攀が素晴らしかった。スタントも一部やっているのだろうか？
