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EXITのmurabonのレビュー・感想・評価

EXIT(2019年製作の映画)
3.8
地方ゆえに遅ればせながら鑑賞。
パラサイトのアカデミー賞作品賞受賞で勢いに乗る韓国映画。そもそも日本で公開されている作品はそれなりにクオリティが高いものが選ばれていると思うので外れが少ないですよね。

本作もエンタメとして非常に楽しい作品に仕上がっています。
毒ガスを避けてビルからビル、より高いところへ次々に移動していく本作。シンプルで分かりやすいストーリー。犯人の動機、背景など本筋とは関係ない余計なことは最小限に済ませて勢いを保ったままダレルことなくエンディングまで走り切ります。冷静に考えると毒ガスで相当な数の死者が発生している気がしますが、徹底して主人公サイドを追い続けているので観ている間はそこまで気になりません。

途中途中でどうやってそこに辿り着いたのか疑問に思う場面もありましたが、まあ許せる範囲。誰もが一度は妄想したことがあるであろう好きな女の子と二人で助け合いサバイバルするシチュエーションを具現化した本作は男の子にはたまらないはずです。
オチも上品で好感が持てます。

ボルダリングとか最近は一般層にも広がってきてますよね。私も一回だけ体験しに行ったんですがマジでキツいです。前腕って筋トレしてても中々追い込めてる感じがしませんが、めちゃめちゃ筋肉痛になりました。子供の頃は木登りとか余裕で出来てたはずなのに、身体の衰えを痛感します。
私はこの映画の中では確実に死んでますね。

主演の二人は非常に良かったですね。主人公の青年を演じたチョ・ジョンソクさんは加藤諒の面影を感じさせるような顔立ちで、絶妙な冴えない感があり役柄に非常に合ってましたね。
ヒロインを演じた少女時代のユナちゃんは最高に可愛いですね。結婚式場とかのスタッフってみんな素敵に見えますが、ユナちゃんの制服姿はアイドル時代とは違った魅力がありましたね。
私の仕事も広い意味ではサービス業的なところがあるのでお客様ファーストな姿はベタながらウルっときますね。
パンフ買いそびれたので俳優の名前は分かりませんが親戚の女の子もめっちゃ可愛かったですね。

コメディ色が強めなのとオーバーアクト気味な演技が気になる人もいるかもしれません。泣きの演技は昨今の日本映画を見ているようで若干きついなと思う瞬間がありましたが、クドくないのでギリギリ許容範囲。

エンディングで流れる曲はアニメ主題歌のような歌詞でしたが、作品のテイストには合ってますし爽やかな気分で劇場を後にすることができました。

パラサイトと同様に韓国の若者のうまくいかない人生を背景にしつつも、全く異なるテイストの作品に仕上がっている本作は一見の価値アリです。
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