真魚八重子

キングメーカー 大統領を作った男の真魚八重子のレビュー・感想・評価

5.0
ポリティカルドラマとして、非常に水準が高い出来。これまで韓国映画の政治物は悪徳を描くのが多くて食傷気味だったし、まじめな『KCIA南山の部長たち』は話が走りすぎで演出がまずく、『工作 黒金星と呼ばれた男』は情に流されている印象だった。
本作のメインの政治家は、キム・デジュンをモデルにしている。演じるのはソル・ギョングで本当に信頼できる演技。その頭脳として、影の役割を果たすのがイ・ソンギュン。表に出たい野心を持ちつつ、北出身であり、わりと知能犯でギリギリの選挙運動をするため、影にいざるを得ない複雑な男を演じている。
演技派二人がとにかく魅力的で、すごく引き付けられる。信頼で結びつきながらも、ベタベタしすぎない大人の男同士の関係性も気持ちいい。展開も政治劇としてスマートでありながらも、理解は追いつく範囲での語りでバランスがとても良かった。
これは本当にオススメしたい。難しくないし、物語に紆余曲折もあるし面白かった。
真魚八重子

真魚八重子